社会インフラの維持管理に貢献する構造色の新規開拓とその応用

工学部 工学科教授 比江島 俊浩


タマムシの翅の色彩(構造色)は僅かな亀裂やひび割れに伴って劇的に色を変化させます。私達は、センサーやクラウド等のスマートICTと構造色の「色の変化」を組み合わせた新しい社会インフラの保守管理システムの構築を目指しています。

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我が国では、前回の東京オリンピック(1964年)に向けて橋梁やトンネル、発電施設等の社会インフラが急ピッチで施工され、その多くが建設から40~50年を迎えています。今後、老朽化した社会インフラの崩壊や損壊を未然に防ぐためには、より一層適切な維持管理が重要となってきています。これまで社会インフラの点検方法の多くは、点検員の経験や勘に頼る部分が多いことに加え、ベテラン点検員の減少等による人員の不足、新たな人材の早急な育成の必要性、また予防保全対策や大規模更新計画が立てにくいという課題が生じています。 私達のプロジェクトでは、タマムシの翅の鮮やかな色彩(構造色)が僅かな圧力や振動、亀裂やひび割れの発生に伴って劇的に色を変化させることに着目しました。すなわち社会インフラの構造材料の一部を構造色で置き換え、監視カメラで「色の変化」をモニターしながら、センサーやクラウド等のスマートICTを使って老朽化の度合いを逐次分析する社会インフラの集中管理の構築を目指しています。