黒鉛層間化合物の色標本の作製 -色の分析とその活用-

工学部 工学科教授 松本 里香


黒鉛が金属等と反応すると、さまざまな『色』をもつ黒鉛層間化合物を形成します。この『色』は反応物や黒鉛の種類によって変化します。この『色』をデータとして残すために、黒鉛層間化合物の色標本を作製します。

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黒鉛層間化合物とは、層状物質である黒鉛の層間に金属原子やハロゲン分子等が挿入した化合物です。古くから研究され、様々な種類の化合物が知られていて、リチウム原子の挿入はリチウムイオン電池に応用されています。黒鉛が黒鉛層間化合物を形成すると、導電性が金属並みに向上するなど物性に変化が生じるのですが、それと同時に『色』も変化します。もともとの黒鉛は黒色ですが、黒鉛層間化合物を形成すると、金色や青色、中にはピンク色に変化するものもあります。この色変化は美しいだけではなく、黒鉛層間化合物の物性を反映しているため、実験上重要な指標になります。しかし、これらのカラー写真がまとめられた資料が存在せず、研究者は不便を感じています。よって、本研究では、さまざまな種類の黒鉛層間化合物を合成し、物性データと共に、カラー写真をまとめ、色を分析し、黒鉛層間化合物を『色』という観点から整理します。