「色を残す」植田正治カラー作品の保存とデジタルアーカイブ作成

芸術学部 写真学科教授 田中 仁


日本を代表する写真家の1人として、国内はもとより海外でも評価の高い写真家植田正治。2000年に没したあとも、未整理のネガやスライド(ポジ)、プリント作品などが大量に発見されています。退色の激しいカラー作品を中心に保存とデジタルアーカイブを作成します。


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登録有形文化財指定/植田正治生家

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植田正治写真美術館

1913年に鳥取県境港に生まれた植田正治は10代から写真を志し19歳の時、地元で写真館を始めました。それ以降、山陰地区をフィールドに多くの作品を生み出しました。リアルなドキュメントが主流だった日本の写真界において、演出写真を主軸とした作品は異彩を放ち、独特の構成と演出によるイメージは「植田調/Ueda-cho」と呼ばれ、世界的に評価されていきました。1995年鳥取県岸本町(現在の伯耆町)に個人の写真美術館としては珍しい植田正治写真美術館が完成し、代表作品が収蔵されましたが、本人の没後に生家やアトリエなどから未整理の作品が大量に発見されました。その中から変色や退色が激しい、当時のカラー作品の実物を、そのまま最適なコンディションを維持していくアーカイブ保存とデジタルによるアーカイブ保存を両面から行うのが今回の研究です。これにより植田正治研究がさらに進展するとともに、山陰地区を撮影した作品を地元に残して地域の発展に寄与し、海外への発信基地にもなることが期待されます。


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