平成28年度の進捗状況
事業名:「色」で明日を創る・未来を学ぶ・世界を繋ぐ KOUGEI カラーサイエンス&アート
申請タイプ:タイプB/支援期間:5年/収容定員:3940人
テクノロジーとアートの融合を目指した小西写真専門学校をルーツとし、現在では工学部と芸術学部を擁する本学ならではのブランド(独自色)を大きく打ち出す全学的研究テーマとして、「色」を取り上げ、国内の大学では唯一の「色の国際科学芸術研究拠点」を形成する。色はテクノロジーからアートまでを包含する学際的研究分野であり、これを推進することは、「真の工・芸融合」を目指す学長の大学運営の方向性と合致している。
本学の原点は、1923年(大正12年)に創設された「小西写真専門学校」である。当時の最先端表現技術であった写真に関する技術者・研究者を養成するために創設され、写真技術(テクノロジー)と写真表現(アート)との融合を目指した先駆的な学校であった。現在では工学部と芸術学部の2学部を擁する、極めてユニークな学部構成の総合大学へと発展し、工・芸融合を大学の特色として標榜している。本学のロゴデザインの水色の円は工学部、黄色の円は芸術学部、それらが交わる緑の部分は工学部と芸術学部の融合を表している。しかしながら、創設当時と比べると、研究・教育の両面において工学部と芸術学部の融合・連携は必ずしも活発ではなく、本学が持つ独自性、潜在能力を十分活かしきれていないということが、本学の大きな課題のひとつである。
そこで、本学のルーツである写真、印刷、光学といった学問分野に根差し、今日の工学部と芸術学部の両学部に共通する全学的な研究テーマとして、「色」を取り上げ、国内の大学では唯一となる「色の国際科学芸術研究拠点」を形成し、ロチェスター工科大学(米)、中国文化大学(台湾)、タイ王立チュラロンコン大学、東フィンランド大学等、工・芸にわたる色の研究機関を有する海外の大学との連携もはかりながら、「色といえば東京工芸大学」と言われるようなブランドを築くとともに、学長方針である「真の工・芸融合」を目指す。
外部環境、社会情勢に目を向けると、大手電機メーカーをはじめとする輸出産業の不振に伴う経済成長の低迷、超高齢化社会、日本の将来を支える教育の3つが、今、我が国が抱える最も大きな課題であるといえよう。各国の嗜好に合わせた製品の色・デザイン、色が重要な要素となるメディア輸出産業(いわゆるクールジャパン)、医療・介護および教育への色の応用等、色の研究は、我が国が抱える問題に対して大きな貢献を果たすことができると確信する。
一方、明るい話題としては、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会が挙げられる。本事業は、同大会での映像、写真、印刷等の色彩表現技術の革新に寄与するとともに、文化庁が構想している同大会を契機とした「文化力プロジェクト」にも、色をテーマとしたメディアアート作品によって参画し、世界に向けて本学のブランドを発信する。
目標
実施計画
目標達成の測定方法
(自己点検・評価)
学長、色の国際科学芸術研究センター長、同副センター長による自己点検・評価部会を設置した。上記の事業成果欄に記したとおり、事業計画書に記載した当初の目標を上回る成果を挙げていると評価している。
(外部評価)
外部有識者として、日本色彩学会会長、日本画像学会会長、コニカミノルタ科学技術振興財団、リコー、光学技研(厚木商工会議所所属企業)、研究成果を波及させようとする対象として、近隣の小鮎小学校、小鮎中学校、厚木高校、厚木市役所産業振興課の方々に外部評価委員を正式に委嘱し、文書にて承諾を得た。第1回外部評価委員会は、色の国際科学芸術研究センターのギャラリーがオープンする平成29年7月22日前後に開催する予定である。