日本語における色彩語の考察:認知言語学の視点から

芸術学部 基礎教育准教授 松中 義大


認識した色と、その言語化・概念化との関連についての基礎研究を行います。

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  • 色の認識・認知→生得的な面と社会・文化的差異が生じる面
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  • 色の知覚がどのように我々の概念形成や言語と関わるのか、の解明を目指す
    • 色彩語そのものの研究
    • 色彩語の意味拡張(黄色い歓声、腹黒い、など)


光のうち特定の波長が人間の網膜に刺激を与えて色として認識されるわけですが、その認識した色をどのように区分するかは、言語・文化の影響を受けています。色名・色彩語は、基本とされる色では各言語で共通なものですが、区分の仕方やその詳細さは各言語で極めて異なっています。このように、視覚がとらえた色をどのように認識・認知するか、という点では、言語と極めて密接に関連していると言えるでしょう。この研究では、きわめて基本的な認知・認識プロセスである色の知覚がどのように我々の概念形成や言語と関わるのかを認知言語学の観点から解明を試みます。さらに、日本語では「灰色の人生」「黄色い歓声」などのように色彩がいわば比喩的に意味拡張している例が見られ、「この問題に白黒をつける」のように色彩が我々の道徳・倫理的価値観と結びついている例も見られます。こうした意味拡張のメカニズムについて解明することを目指します。


平成29年度研究成果ダウンロード

平成30年度研究成果ダウンロード


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